『鱸』日本人にはお馴染みの魚です。
鯛や平目と同じ位に珍重されて、とくに夏が旬の魚として有名だと思います。他にもイサキやコチと言った夏のお魚がいますが当店は三陸の魚をあつかっているので、 『鱸?』限定になってしまいます。
他にも皆様思いいれのお魚はあるとは思いますが今回はくどいようですが『鱸』です。

蒸す、焼く、煮る・・・色々な調理の仕方がありますがやはり香りを楽しむと言うのが世界的にも有名?だと思います。中国では青竹に入れて蒸し焼きにしたりもします。フランス料理ではパイ包み焼きにします。日本では島根県松江の奉書焼き、国は変われど食いしん坊が美味しさを突き詰めるとトドの詰まり(*1)同じ料理法になると思います
.。

『鱸』の語源は諸説ありますが、白身の肉が
涼しく清らかなところから来たのでは?スズキは涼(すず)し、きは清(きよ)からの意味だそうです。ちなみに、『鱸』の古名は筋雪(すじゆき)です。やはり『鱸』の肉は昔から白くなければいけないみたいです。

お店をオープンしてはや四年、
「最近、出世『成長』してんのかナー」
と考える時がよくあります。
『鱸』は出世魚、呼び名は地方により異なりますが東京近辺では

「こっぱ」→「せいご」→「ふっこ」→「すずき」→「おおたろう」

と大きさにより変わるのですが、当店では予算の都合上?
『鱸』の一つ前の『ふっこ』を仕入れました。




トドの詰まりは・・・・・・同じ出世魚のボラから来ています。ボラが成長して一番大きいサイズになりこれ以上大きくならない位になるとトドという呼び名になります。これ以上ないという意味で、歌舞伎のト書きでもお馴染みです



スズキ
サワラ

『サワラは板に乗せて運べ』
昔のお鮨屋さんはよくこう言ったそうです。

それだけ身が柔らかい魚、鯛の淡味に対して鰆は同じ白身でも濃味。白身としてはめずらしく脂の旨味の多いお魚だと思います。旬は冬から春にかけて海流の影響も あるので一概に何時とも言えないと思います。

鱸の所でも言いましたが鱸は夏が旬とよく言われているのに何故鰆も?と言われるかもしれませんが、それを突詰める事は『野暮』です。鰆は魚に春と書かれているため春が旬と言うイメージがあると思いますが『寒さわら』と言う言葉もあるように冬の方が美味いと言う人もいます。実際、私も何度か機会があり口にしましたが、脂の旨味は最高でした。

今回は塩、胡椒した後に皮面を炙り、お刺身仕立ての冷たいトマトソースでいこうと思います。皮面の『チョイ焦げの香り』濃厚な白身をサッパリ系のソースと好い感じでイメージできています。この時期の『ら りゅぬ』の定番です


これも予算の都合上で今回は一回り小さいサイズの『さごち』を使わせてもらいますが味の方はバツグンに美味いです。


平目
ヒラメ

平目は我が国、日本では鯛と同等に高級魚に属しています。
昔話の浦島太郎の中では龍宮城で舞踊っていた位。非常に脂肪分が少なく、あっさりした味わいは一度たべれば
病み付きになるはずです。当店でもどう言う訳かお奨めの黒板に書くと一番に無くなるお魚です。だからと言う訳ではないのですが火を入れて料理した事がまだ一度もないのです。

生で食べられる高級魚。
まして『ヒラメですよ平目』、名前が知れている分、安心感もあるでしょう。後はやっぱりブランドかな、平目=高級ブランド ○ッチ、ヴィ○ン、エルメ○
こんな感じでしょうか。でもやっぱり高いには訳があります、美味しいんですよやっぱり.
○ッチ、ヴィ○ン、エルメ○を妻にネダラレたら
『名前じゃネーヨ』
でも平目だったら
『いいねー』
間違いなくこう使い分けると思います。
ちなみに脂肪が少ない分病気の人やお年寄り向いていると思います。勿論美味しいので万人に
OKです。でも一番は昔から言われているように肝臓が悪い人に良いとされています。

『高橋鮮魚の高橋さん俺の事気遣ってくたのかなー』
いえいえそこまで優しい人ではなさそうです?でも魚には愛情をもって厳しくそして信頼できる魚屋さんです。


『シェフ 鱒と鮭て何処が同違うの?』

『えっ??????』

最近、常連ご夫婦のお客様と私との会話です。困りました。

言われてみると丁寧な説明が出来なく仕事中にもかかわらずネットで調べ
PCを直接お客様の前に持って行って説明する不始末。分かり易く言えば鱒とは渓流釣り等でお馴染みな 『やまめ』が成長して海に下るものが『鱒』。そのまま河川にとどまって一生を終えるのが『やまめ』です。色々な鱒がいるために一概に言えませんが、鱒とやまめは兄弟と言う訳です。こと『鱒』に関しては降海型で有名なところが桜鱒です。日本人は鯛が好きで有名です。何故?鯛に属していない物でも何々鯛とかホニャララ鯛とか何でも鯛と言う名前をつけたがります。やっぱりブランド志向ですよね?チカ鯛、『味はともかくテラピアと言う淡水魚です』。でもって鮭が好きという国もあるのです。それはイギリス。ヤッパリ何にでもサーモンと付けるそうです。


チョイ古ですが、
『トラウトサーモン? 鱒鮭そんな魚いませんから残念』『斬り〜』


桜鱒、カラフト鱒、姫鱒etc・・・・・・本日の鱒はアオ鱒です

願わくばこのぺージを冒頭のご夫婦に見てもらえれば幸いです。
二人がいなければここまで勉強しなかったかもしれません。

キャツトフィシュ様に感謝 感謝


アオ鱒・・・・カラフト鱒の事で、水揚げされた時に鱗が取れた時の皮の色が青いので青鱒と呼ばれます。


マス

Episode
ヨモヤマ・9
ヨモヤマ・8
ヨモヤマ・7
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